ウェーバー方式とは
ウェーバー方式、ウェーバー制とは、プロスポーツなどで新人選手(に限らない場合もあるが)を獲得する際に、低順位のチームから優先的に指名できる方式のことです。ドラフト会議で順番に指名していきます。
表記が色々でして、うえーばー、うぇいばー、うぇーばーの3種類をよく見ます。
ウェーバー方式の目的は、戦力の均衡化です。また、競合の争いによる契約金や年俸の高騰を避ける意図もあります。
例外を一切認めない完全なウェイバー方式を採用している場合と、部分的に採用している場合があります。
完全なウェーバー方式とは「最下位チームから順番に選手を指名」「指名した場合は独占交渉権となり他チームと競合しない。抽選などにもならない」という方式です。
日本のプロ野球では部分的にウェーバー方式を導入しています。日本の2021年のドラフト制度では、1巡目は競合したら抽選です。
また、サッカーのJリーグのように、ドラフトという方式を一切取らないスポーツもあります。
waiverとは権利放棄という意味で、ここから来ている言葉です。
ウェーバー方式はアメリカのスポーツに多い
アメリカではNFLやMLBが完全なウェーバー方式です。
最初に導入したのもNFLのようです。
NBAは一部例外のあるウェーバー方式になっています。
アメリカの制度で独特なのは、このドラフト指名権や優先交渉権が、トレードやFA移籍にの対価として、譲渡・移動がされることです。日本では見ない制度です。
日本のプロ野球のウェーバー方式
日本のプロ野球のウェーバー方式は完全ではなく、一部例外があります。
2021年においては、ドラフト1巡目(1位指名)は指名が重複したら抽選になります。
2巡目以降は偶数巡目は完全ウェーバー方式で、奇数巡目は逆ウェーバー方式(成績上位球団から指名)にて、先に指名した球団が独占交渉権を得ることになります。
ドラフト制度は二転三転してまして、自分が野球を見るようになってから何回も変わっています。
一時期(1993年~2006年)、逆指名制度というものがありまして、大学生と社会人限定で、1位指名と2指名のみ、選手側が球団を選べるということがありました(2001年からは「自由獲得枠制度」、2004年からは「希望入団枠制度」)。
社会人・大学生と高校生の選択が分かれていた時期もありました。
制度はその時の環境によって変わるため、ウェーバー方式がどれぐらいされるかも時代によって変化します。
比較対象として、サッカーの選手獲得
同じプロスポーツでも、サッカーのJリーグではドラフトで選手を指名するという方式はとられません。
クラブと選手(基本は代理人が入りますが)が条件で合意して契約すればそれで獲得です。
新人契約時の年俸保証や移籍のしやすさなど、様々な制度がサッカーと野球では違います。
また、サッカーは「降格」制度(J1下位チームは下のカテゴリーのJ2に落ちる)がありますが、日本のプロ野球やMLBには降格はありません。
そういった様々な制度面での違いの中で、選手獲得の方式にも違いが表れています。