ワンポイントリリーフとは
特定の一人の打者だけに登板するリリーフピッチャーのことです。
英語ではspot relieverというようです。
左打者を得意とするピッチャーを左打者一人のために登板するというのが良くある例です。
松井秀喜選手の時だけ出てきた遠山奬志選手などが有名でした。これは個人的な相性などもあったようです。1999年には松井選手を13打数無安打に抑え、松井選手曰く「顔も見たくない」と言ったというような逸話まで残っています。
左限定の言葉で、英語ではLeft-handed specialistなどという言葉もあるようです。
リリーフなので、イニングが後半に入ったここぞというところで出てきます。ピンチな場面も多く、一人にしか投げなくても結構重要な役目です。
変則的なワンポイントリリーフ
通常のワンポイントリリーフは1人に投げたら降板なのですが、一人のバッターだけに一人のピッチャーを消費してしまうため、もったいない作戦でもあります。
それをある程度解消したのが阪神時代の野村克也氏です。
野村克也氏が阪神の監督だったころ、遠山奬志投手をワンポイントで出して、左バッターに投げた後、一度遠山選手をファーストにして、他のピッチャーが右バッターに投げて、再度左バッターにの時にマウンドに上がるという変則的なワンポイントリリーフをしたことがありました。
これは敵の打線が左、右、左と交互になっている時に使える形です。
これをすると、野手を一人消費してしまうのですが、野村克也氏は、さらに1つ作戦を進めて、右ピッチャーの葛西稔選手と遠山選手を交互に一塁に置くという奇策を使いました。
本音を言うのならば、右でも左でも抑えられるピッチャーが良いのではありますが、監督としては少しでも確率を上げるために考えた苦肉の策だったんでしょうね~。
MLBでのワンポイントリリーフ禁止
2020年シーズンから、メジャーリーグでは、ワンポイントリリーフが禁止になりました。
投手は最低3人の打者に投球するか、イニング終了まで投げなければならないというルール改正です。
目的としては試合時間の短縮という話ですが、実際効果があるのかどうかはやってみないとわからない部分があります。
これまで、投手が投げ切らなくてはならない最低ラインは打者1人でしたが、その最低ラインが底上げされた形です。
2021年では、日本ではまだワンポイントリリーフ禁止は導入されていませんが、メジャーで導入された数年後に日本でも導入するというパターンは多いため、今後日本でも検討されるかもしれません。