ナックルボールとは
できるだけ回転を抑えてほぼ無回転(実際には一回転未満ぐらいは回転する)で投げることにより、ボールの縫い目で生じる空気抵抗の影響で、不規則な変化をするボールです。
よく「揺れる」と表現されます。
指の第1関節(Knuckle)部分でボールを握り、指で押し出すように投げるため、ナックルと呼ばれます。
日本では純粋なナックルボーラーを見た記憶がないのですが、メジャーリーグでは揺れるナックルボールを投げる人がたまにいます。
ほぼナックルボールだけで10数年メジャーの先発を務めるようなピッチャーもいます。
ティム・ウェイクフィールドは200勝したナックルボーラーですが、テレビで見てとても驚ろいたのを覚えています。
日本では前田幸長選手を覚えていますが、無回転のナックルではなく、回転がかかっていて曲がりながら落ちるような球だった記憶があります。
ナックルボールの弱点
まず投げるのが難しいボールです。失敗するとただの遅い球になってしまいます。
きちんと投げられたとしても様々な問題があります。
まず自然現象の影響を強く受けます。回転を極力少なくするため、風などの影響が他の球よりも大きくなってしまうようです。
さらに、変化は不規則なため、投げた後はどこに行くのかわかりません。揺れた結果ド真ん中にはいるなんてこともありますし、ストライクゾーンに入らないことも多々あります。
変化が不規則な部分はキャッチングにも影響します。
ナックルボールを捕れるキャッチャーは限られてしまうのです。ナックルボール専用のグローブなどを用意する人もいます。
捕るのも大変なぐらいの変化なので、打つのはもっと大変なのですが、野球はキャッチャーがピッチャーの球をほぼ捕れることがゲームが成立する1つの条件なので、この弱点はなかなか大きいのです。
非常に強力なボールではありますが、投げるのが難しく、さらに捕るのも難しいという、扱いが大変な球種でもあります。