カオスとは【ギリシャ神話】

ギリシャ神話神話

カオスとは

ギリシャ神話で一番最初に出てくるのは「カオス」です。よく混沌と当てられます。

ヘーシオドスの『神統記』では、ギリシャ神話の原初の神であり最初に出てきて後は全然出てこなくなるという、神話でよくある最初の神様です。

タルタロス、ガイア、エロース、エレボス、ニュクスが、一応カオスの子供にあたる神になります。

カオスが出てこないものもあります。その場合は「ガイア(大地)」が最初です。日本書記と同じですね~、大地からスタートというのは。

日本神話ではこの混沌(日本書記だと揮沌)には神様の名前をつけることがありませんでした。混沌から生まれた最初のものは神様として「国常立尊」と神様としての名前が付けられますが、混沌には名前をつけていません。

混沌のイメージが共通なのが面白いですね。神話が似ていることについては、遺伝学や考古学などから人間の起源と移動に関するものから、元はおんなじなんじゃないの、という説があります。

原初の神々は、大体の神話で最初に名前だけ出てきて、次の世代が出てきて終わり、ということが多いですが、カオスもそんな感じです。

ギリシャ神話自体も様々なものがあり、古いものでは紀元前8世紀のヘーシオドス『テオゴニア(神統記)』などがありますし、ローマ時代になるとアポロドーロスの『ギリシャ神話』などがあります。いろんな文献があるため、絶対にこれ、というのはないです。

ただ、いろんなものがあるため、原初の、文字が生まれ前の神話はどうだったんだろうなどの推測が立てられるのは面白いですね。

日本の場合、古事記と日本書記ぐらいしかないのですが、日本書記は異説をたくさん載せてくれていますので、残っている文献は少なくても、色々想像できるのですが、ギリシャ神話は文献自体が様々あるのが羨ましいところです。

ギリシャ神話の天地生成

混沌のカオスがまずあり、そこからガイア(大地)とタルタロス(奈落)、エロース(エロスとも。性愛)が生まれます。

その後、闇のエレボスと夜のニュクスがカオスから生まれます。

エレボスとニュクスが交わってニュクスはヘーメラー(昼)とアイテール(天空)を産み、世界の構成要素がそろうことになります。

この辺りは異説がたくさんあるので、一概には言えません。ガイアが最初な話もあります。

カオスについては実はこれで終わりでして、後はガイアからゼウスにつながる神々が色々生まれてきます。ギリシャ神話といったらこっちのお話がメインですね。

だいたい原初の神々は後からつけたしたのかしら、というぐらいに淡泊で、物語の中心ではないことが多いですね。

これは推測ですが、もともとの生活や人間に密着した伝説的なお話が合って、それらを集団をまとめるためや、権威付けや、権力の証明などにするために体系化したときに、じゃあこの世の始まりってなんなの?となって、後から付け加えたのが、この辺りの原初のお話なのかな~と思います。

一神教になると、全部を作ったのが一人の神様になって、ある意味わかりやすいというか。神話というかよりどころになるストーリーを「作るぞ!」と決めて0から作ると、一神教みたいな感じになるんでしょうかね~。

そのため、ギリシャ神話や日本神話って自然発生的に語り継がれてきた物語をある時期に体系的にまとめて、体裁を整えるために後からいっぱい付け加えたんだろうな~なんて思ったりします。

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